
「グローバル3倍3分法ファンド」が人気で純資産を着実に伸ばしているようです。
昨年末の相場調整時もうまく乗り切り、2019年も着実に評価額が上昇していおり、実際のパフォーマンスも良好であるというのが売り文句になっています。
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債券と株式の相関性に注目した商品
株式、不動産、債券に分けて分散するのがリスクを低減する意味でよいというのは資産運用においてよく知られています。
この3つに分散することで、リスクを抑えつつ、それをさらにレバレッジを利かして運用しようというのがこのファンドの特徴です。
各アセットの比率、レバレッジをうまく最適化することで、リスク・リターンの比率をうまく設定しているんだと思います。しかも信託報酬も比較的抑えられており、よく考えられた商品だと思います。
今後も、株式、不動産、債券がこれまでと同じ相関関係が継続されるのであれば、同様のパフォーマンスが期待できます。
当ファンドの注意点
リーマンショック以降、各国で過去にないレベルの金融緩和政策がとられた結果、「everything is bubble」と呼ばれる歴史上異常な状況になっています。すなわち、過度な金融政策で、株、不動産、債券すべてが上昇するという状況になっています。つまり、何を買ってもそれなりにリターンが得られるという状況になっています。
そして、そこにレバレッジをかければ、当然レバレッジをかけた分だけパフォーマンスは上昇します。
よく販売サイトにある、ファンドのパフォーマンスを示す以下のグラフは、まさにリーマンショック以降、すべてがバブルの状況下、レバレッジをかけて運用したがゆえのものと思われます。
当ファンドは今の相場が続いているうちはいいのですが、
- リーマンショック以降の何でも上昇するという歴史上異常な相場で設定されており、今後も永続的に継続するかは不明。
- さらに、レバレッジを利かせており、予想が外れた時の損失も甚大(特に今と逆に全資産が同時調整する局面など)
相場は勢いが強いほどその反動も大きくなります。したがって、今の様に全アセットが上昇する状況下、相場の調整が発生した場合、全資産が大きく下落し、レバレッジをかけている場合はさらに大きな損失を被る可能性も否定できません。
当ファンドの運用期間が10年に設定されているのも長期的には難しいということが分かってのことかもしれません。