
主力株の一つIPS(4390)は、海外通信事業(c2c回線の提供)、フィリピン国内通信事業(フィリピン国内の通信網の提供)、国内通信事業(日本でのコールセンター向けサービス)、医療・美容事業(レーシックなど)など、いわゆるフィリピン銘柄です。
中でも私が注目しているのが、海外通信事業です。フィリピンでは長らく大手通信業者の通信事業の寡占化により、通信費が高くその割につながりにくいという状況が続いていました。本業でフィリピンの会社とやり取りすることが多いのですが、他国と比べて通信トラブルに陥ることは多く、また大容量のデータのやり取りにも時間がかかることが多いです。
IPS(4390)がこの通信上に第3の国際キャリアとして参画し、海底ケーブルシステムの使用権を取得しました。
また、共同出資しているInfiniVAN.Incがフィリピンでの5G専用の周波数帯の割り当てを受け、フィリピンでの通信事業の基盤を着々と整えつつあります。
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フィリピンについて
一般にフィリピンというとなじみがないかもしれませんが、グローバルビジネスをしていると、公用語が英語でコミュニケーションに問題のなく、かつ人件費の安いフィリピン人とは重宝されることが多く、いたるところで関わる機会があります。
また、フィリピンには人口1億人のマーケットがあり、かつ平均年齢の日本の約半分の24歳で、GDPも伸びが続いており、日本の高度経済成長期の様な状況にある国です。
実際10年ほど前にフィリピンに1年間駐在していたことがあるのですが、その頃と比べるとインフラ整備も進み都市部もかなり発展してきています。
また、フィリピンといえば国外への出稼ぎ労働というイメージが強いのですが、最近ではICT化が進みグローバル企業はコールセンターをフィリピンに設置したりするケースも増えてきており、通信インフラのニーズはどんどん高まっていくのではないかと予想しております。
業績に関して
主力事業が概ね好調で、さらに2021年3月期にはc2c回線取得による効果で業績が一気に伸びています。
今後も、海外通信事業の伸びがカギと思っているのですが、取得費用・収益の見込み等は非公開となっており、どれくらいの伸びが期待できるのか不透明な部分があります。
また、売り上げの計上が3四半期にずれ込み、第2四半期が一時的に悪化するなど不確定要素も多く、海外通信事業の売上・利益の状況には継続して追いかけていく必要があると思います。
株価もこのあたりを不安視してか2021年3月期以降はやや下げ基調にあります。
今後の戦略
過去のPERは平均20-25倍程度で推移しておりましたが、2021年はやや株価は下げ基調にあり、現在は15倍くらいと過去最も低い水準にあります。
海外通信事業の見通しが難しいことなどが理由と思われますが、会社の発表している内容は比較的ポジティブであり今後も海外通信事業の状況を見ながら保有を継続したいと思っています。
また、見通しに対して低PERの状態が続くようだと買い増しも検討したいと思います。
他方、フィリピンは新興国でカントリーリスクもあります。治安も悪い地域がまだたくさんありますし、通貨もいきなり大きく動く可能性があります。したがって、フィリピンの情勢についても目を見張っておく必要があります。
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